愚痴
- β
- …………おれ達がまたこうしているということは、また何かあったんだね。
- α
- …うん。何かあった。
- β
- 結構心弱いね。
- α
- うん。オレココロヨワイ。
- β
- で、どうするの? また愚痴るの?
- α
- 愚痴る。気でいる。
- β
- 迷ってるのか。
- α
- うん迷ってる。
- β
- ま、気は使うわな。
- α
- 久しぶりにブラックな俺が現れたね。
- β
- 思わず一人称も漢字表記だな。
- α
- ああ。
- β
- で、ゆうの?
- α
- 簡単に言うとだ、図書館でやなことがあったんですよ。
- β
- お。
- α
- どした。
- β
- いやいきなりだから。ま、核心に触れない限りでちょっと言ってみ。
- α
- うむ。………うるさかったんですよ。図書館。
- β
- まあなあ、そりゃ地区の図書館だしなあ。
- α
- なんてゆうかね、気がついたら叫んでるジジイがいまして。
- β
- ははあ。ま、そりゃな。
- α
- 内容を察するに、どうやらその人図書カードがないらしいんだわ。で、なんだか帯出許可が下りないことに腹を立てているらしくて。
- β
- ……。
- α
- 事務の人が、カードがないと貸すことが出来ないとか、消え入るような声で言ってるみたいなんだわ。
- β
- ………。
- α
- でなんだかそのジジイはどんどんボルテージが上がっていったらしく、そこで見るだけだから貸せよとか言うんだわ。何バカなこと言ってんだとか。いいから貸せよとか、何様のつもりだとか言ってんの。
- β
- …………。
- α
- 持ってきゃしないから、バカみたいなこと言ってないでいいから持ってこいとか言うんだわ。
- β
- ……………。
- α
- で、みんな黙ってんの。
- β
- そろそろ核心に触れそうですね?
- α
- 半分触れた感がします。
- β
- あたしもそう思ってました。
- α
- まあなんて言うかあれだよ。
- β
- まあ黙っとけ。相当ひどいこと考えてるのは分かったから。
- α
- ああ。そうだな。
- β
- ……。
- α
- それからもう一個あったんですよ。
- β
- ちょっと言ってみ。
- α
- うん。それで図書館から帰ってくる途中、街頭演説してたんです。
- β
- あんまりいい話な予感がしませんが。
- α
- まあこれもまた非道い話ですから。
- β
- …もうちょっとだけ言ってみ。
- α
- なんだかね、今回の選挙はとても簡単だと思いますとか言ってんだわ。改革の是か非かとか。
- β
- 簡単な話じゃないですか。改革の是か非かなんでしょ。
- α
- それで、自分の党の利点を強調するわけですよ。
- β
- …ああ。
- α
- あのな、こちとらどんな党にも利点と欠点があるっつーことぐらい分かってるんだわ。だからよ、そんな利点ばかりを強調されても、なんてこともないわけよ。
- β
- ………。
- α
- 「ちょっとは教育を受けた人ならメリットのごり押しでは気を惹かれない」ってのは初歩心理学の帰結だろうがよ。
- β
- …………そこまで。
- α
- ち、脳内検閲か。
- β
- まあしょうがないね。
- α
- はいはい。今日の俺は久しぶりにブラックでしたねと。
- β
- 言い方にとげがある気がするが、それには間違いなさそうだね。
- α
- イライラ。
- β
- 口で言っても可愛くありません。
- α
- 分かってます。
- β
- じゃ何で言ったんだ。……………………じゃあ何で言ったんだぁーーーーッッ!!!
- α
- それ、クリリンのことかぁーーーーッッじゃん。
- β
- あれでしょ。空気を和ませたかったんでしょ。分かるよ。
- α
- 分かってくれると思ってました。
- β
- まあね。そりゃね。
- α
- 空気は和みましたか?
- β
- ……それはむしろコメント欄の方々に判断してもらいたいな。
- α
- …………奴らはスルーする気がする。
- β
- おれもそんな気がする。
- α
- かといって積極的に評価されてもアレなんだけどな。
- β
- まあね。
- α
- あーだりー。