日曜日。無題

★★19,39-

  • 無題だよ無題! -19,39

★★21,19-

  • 僕は、「バキ立ち」という言葉は「ジョジョ立ち」と並んでかなり一般的な言葉だと思っていたから、「あの先生ってバキ立ちしてるよな、バキキャラだよな」ということをよく言っていた。けれどそのたびに誰も「ばきだち?」と言って返してきていた。僕は不思議に思っていた。バキの漫画みたいに立ってるから、バキ立ちだろ? 何が難しいんだ? 僕には分からなかった。けれど、同時に、そうなのかな、本当にこの言葉はあんまり使われないのかなあ、とも思わずにはいられなかった。バキキャラみたいに気持ち前傾姿勢で立ってるんだけど上半身の筋肉が凄くて気を付けの姿勢には仲々ならない。バキ立ち。で、この前ちょっとGoogleで検索してみた。僕は驚愕した。なんか、「バキ立ち読みした」とか言ってんの。おいおい。そうじゃねえだろ。バキは単行本で読めよ。僕は冷静にそう考えた。うそだ。本当は「バキ立ちして漫画を…?」と思った。だってそうだろう、バキ立ちってのはバキ立ちなんだ。ビスケット・オリバみたいにぬーんとして天井に頭が着きそうなぐらいなんだ。首がメッチャぶっとくて、唇の下には怒りと不遜の渦巻き文様が描かれるんだ。そういうことだろうが。バキ立ちというのは。何がコンビニでバキ立ち読みしてきたですか。何を、言葉遊びをしているのですか。僕は軽く眩暈がした。モニタが信じられなかった。他に用例はないのかと思った。……あった。乳首がバキ立ちなんですう。おいおいおいおい。おいおいおいおいおいおいおいおい。そういうことなのかよ。今度はそういうことなのかよ。バッキバキに立ってるからバキ立ちですか。ははん。業者さんの考えそうなことです。まったくバキとは関係なかった。まあたしかにバキのキャラもバッキバキに立っていると言えないこともなさそうですが、でもそういう立ち方じゃないと思う。もっと、こう、ムッチリした立ち方なんだ。けれど、そうして結局、僕は学ぶことになった。「バキ立ち」というのはそんなに一般的な言葉じゃない。少なくとも僕が思っていた程には。でも、ジョジョのキャラが立つ立ち方がジョジョ立ちなら、バキキャラが立つ立ち方はバキ立ちだと思う。だから、僕がそういう風に使うことにした。そういう風に使うことで、広めていこうと思う。バキ立ち。バキのキャラが立つように立つこと。或いはそのさま。用例:「二人が向き合って――したなら背景ぐらいは歪む」。これがGoogleで検索される日も近い。
  • タスケレ。-21,37