しょうがないから思いついた探偵ものの話でもしようか……
- もう関東に向かうのだけれどもうちょっと余裕があるので探偵ものの話でもしようか……。
- あのさあ、どういう風に言っていいか分からないけれど、なんて言うかさ、おれ、探偵ってすげえものだと思うんだよね。だからさ、探偵の言うことは、正しいのだと思う。ので、こういうのはどうだろう。あんまり時間がないのでさっぱり戯曲形式で行くけれども:
- 探偵
- 「犯人は…………、お前だアアアアアアッ!!!!」(指を指して。効果音や効果線*1。)
- 指を指された人
- 「なッ、……ナニィイイイイ!! オレが、オレが犯人だったのかアアアアアアアアッ!!!」(頭を抱える。)
- 太めの警部
- 「なんてことだ……。あの善良そうだった館の跡取り息子が……。こんな残虐な事件の犯人だっただなんて……」(でも罪を憎んで人を憎まず。)
- ヒロイン
- 「お金の魔力は人の心をねじ曲げてしまうものなのね……。いつの世も……」(はらはらと涙を流す。)
- という感じで、探偵が犯人すら知らなかった犯行の手口を暴いていきます。探偵は何でも知っている。なぜならこの探偵こそはこの世を創造した神、そう、彼が、「創造主探偵 デウス・エクス・マキナ」!! その全知と全能を以て難事件に立ち向かう、彼こそが知る人ぞ知る名探偵である。彼の手に掛かれば迷宮入りは確実と思われていた事件もたちどころに解決。なぜならば彼は全ての事柄を一瞬にして把握するから。彼の前には時間もなく、全ては彼の前に現れている。でも一応論理的に不可能なことはさすがに無理なので説明さえして貰えればうまく理解できるかも知れない。決めゼリフは「ふ……、把握している」。
- 第一話のオープニングはきっとこんな感じ:
- 町娘
- 「今日も彼の教会を訪ねる人がいる。
あの人の悩みは何かしら。猫探し……? 恋人の素行調査……? いいえ、そんなんじゃないわ。
きっと殺人事件よ、殺人事件。
だって、きっとあの人は警部さんだもの。
今日も、どこかで人殺しがあったのよ。人殺しがあったのよ。
でも、彼には全部お見通し。
彼に知られていないことなど無いの。
彼には全部分かってる。
だから、安心なのよ……。
彼に……、任せれば……」- 探偵
- 「此度も、我の助力を欲するか……、
死すべきものよ ……」(警部には背を向けてカーテンの隙間から街の様子を見ている。)- 警部
- 「……ええ……。この度の事件は私どもの手の及ぶものではなく……、実に遺憾ながら、我々も三百人体制……、はっ!」(応接室の椅子に肩を怒らせてうなだれる。そして顔を振り上げて。)
- 探偵
- 「ふ……、把握している。言う勿かれ」(憐憫の、しかし冷たい眼差しで警部を見下ろす。)
- でも話が進むとみんなテンションが高くなります。
*1:別に漫画でなくてもいいけど。