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  • 以下雑感。伝わる人には伝わるのでそれでよいと思います。「ア、なんかワタシ伝わってないかも……」とお感じの貴方。それ、恋です。その感情大切にしてあげて下さい。
  • かっこいい。やっぱりエヴァンゲリオンのサブタイトルの形式は、色々出来るなあ。ああいうのいいなあ。何か世界を救う系の話なんだけど、一見すると沈鬱極まりないんだが、主人公が四人ぐらいから選べて、一人一人の観点から事件を見ていくんだが、一人だけ明らかに浮きまくっている主人公がいるってのがいいな。一人だけ頭の中が昭和なの。みんな平成的なクールさでレゾン・デートル(笑)とか今私がここにいる意味(笑)とか本当の自分(笑)とかで悩んでいるというのに、一人だけ「何ネガネガ言っているサル! 救いがないなら、オレたちが救いになるだけのこと! そんな単純なことも分からないお前に明日を生きる資格はナッシン!」みたいな感じで一人で突っ走っていくんだが、それが実は正解行動。そういうのがいいな。
  • 勿論、一つの事件を他面から見ているだけなので、事件全体についての辻褄は合っているんですよ。三人の主人公格はネガネガ言っていて、一人だけがポジポジ言っている。で、この人たちの主張というか、抱えている想いが錯綜して、ときにはぶつかることがあるのでしょう。勿論ぶつかります。でも、ネガネガ言っている主人公でプレイしているときにはその衝突はその主人公にとってはやっぱりネガティヴな事件であり、レゾン・デートル(笑)の問題を深化させるんだが、ポジな主人公でプレイしているときには、ポジティヴな事件として描かれる。「あんたなんかに、私の何が分かるってのよ! あんたなんかに、あんたなんかに、あんたなんかに、あんたなんかに私を見られたくないのよーッ!」みたいなことを一方が言って、もう一方が「うるっせえーッ! そう言ってるてめえには何も見えてねえ! いや、てめえは見るのをやめただけだ! てめえは卑怯者なんだよ! 目を開いてありのままを見てみやがれ! 街は壊され、山は焼き払われ、オレたちの愛するこの世界は奴らのでっけえツメで引き裂かれそうなんだ! 聞こえねえのか! お前を、お前をよお、呼ぶみんなの声が、聞こえねえってのかよぉー……っ!!」みたいなことを言うんだが、勿論ネガな人はこの言い合いのあと不貞腐れて帰ります。ポジな人が一人で出撃して戦います。で、ネガな主人公はこれまたネガな優男に「僕にはこうしてスイカに水をやることしかできない。でも、君には、君にしか出来ない、君になら出来ることがあるんじゃないのか」とか抽象的なことを言われて戦場に戻ります。で、結局力を合わせて勝つんですが、ネガな主人公だとそれでも「やっぱりこれで良かったのかな……」とかネガネガして主人公の心の内側に溜まった澱のような心理的桎梏の描写が続くんですが、ポジな主人公の方では仲間、友情、協力、死地にあっても戦友のことを信頼し続けチームワークを発揮することによって九死に一生を得て、ああそうなんだ、やっぱり仲間を信じて協力し合うとき、この友情の力で打ち破れないものなど……、何も……、何も、ないのだァーッ、みたいなことが夕陽を背にして語られるわけなのですね。ネガな主人公の表情は逆光で視聴者には見えない。でも、圧倒的な友情・信頼への礼賛的描写が続くんですね。ネガな主人公は一言も発さずに帰りますが、それは飽くまでも照れ隠し。中々上手く自分を表現できなかったあいつも、去り際に一言も話さなかったが、それでもあいつの右腕は語っていた。「私を……危なくなったら、私を頼りなさいよね……」。ああ。何も言わなくたって分かるぜ。信頼、だろ……。そしてポジな主人公は呟くんですね。「でもよぉ、そいつは、オレの台詞なんだけどなっ」。これで一話終了ですよ。
  • まあそういうのがいいなと思いました。