『三人麻雀』のルール ver. 1.3
少々思う所があり、蝶久し振りに三人麻雀のルールを載せる。これは以前(と言っても 2008,03,02 のことだが:【リンク】)このブログに掲載したものと殆ど変わらないが、爾後の微細な変更を反映させた。なお、今回は能力麻雀に言及しない。
メタルール ver 1.2
- 以下にルールを記載するに際し、一般的と思われる麻雀用語を使用する場合がある。
- 特に、便宜のための言い習わしを添える場合がある。それは括弧付き引用符(「」)で括って太字にする。
- 各ルール項目の下の階層の記述は、補足的・説明的ルールであり、ルールの一部である。
- 基本ルールと選択ルールが矛盾した場合は、常に選択ルールを優先して当該の基本ルールを無視する。
- 書き漏らしがあるかも知れないし、書くべき順番も不適切であるかも知れない。
- ルールとして書かれたものが現在のルールの全てである。
- ルールの不備が発見されたときは、競技者達の合意によってルールを改変・追加し、試技を進行させる。
基本ルール「三人麻雀」ver 1.3
- 萬子の二〜八を除いて試技を開始する。
- 試技開始時のドラ表示牌として、一枚目の嶺上牌から数えて九枚目の牌を捲る。即ち、嶺上牌として八枚を確保する。
- 四枚の五筒の内の一枚・四枚の五索の内の一枚を、それぞれ赤五筒・赤五索に取り替えて試技をする。これらは常設のドラとして扱われる。(「赤入り」)
- 親の自風は東であり、その右隣の子の自風は南、そしてその次の子の自風が西である。
- サイコロの目に関しては、(サイコロを振った)親を「一」、次の子(南家)を「二」、その次の子(西家)を「三」、そして戻って親(東家)を「四」、……と数える。
- 従って三の倍数の出目は西家を示す。
- 東南戦である。
- 東場は、親は聴牌連荘であり、南場は、親はノー聴連荘である。
- あがりやめはない。
- 配給原点は三万点であり、清算基準点(「丘」)は四万点である。
- 順位馬は、三位から一位への一万点分とする。
- 点数は百点の位を切り上げる。
- 積み棒は一本につき千点である。栄和のときは一本につき千点を増し、自模和のときは、一本につき千点を増してそれぞれの競技者に対して点数を要求する。
- 自模のときの点数は、四人麻雀のときのように計算した点数に千点を増して計算する。
- 頭跳ねではなく、ダブロンである。
- 持ち点が零を下回った場合、飛びになって半荘が終了する。
- 「持ち点が無くなる」のは、持ち点が計算上一度でもマイナスになった瞬間である。但し、飛んでもそのあとの計算は全て行うこととし、その結果が零以上であっても飛びとして半荘は終了する。
- 飛び賞は一万点分とする。
- 飛び賞は飛ばした競技者が受け取る。
- 自分以外の全ての競技者を一度に飛ばした場合、全員飛ばし祝儀として、さらに一万点分を受け取る。(「ダブル飛び」)・(「ダブルぶっ飛び」)
- 競技者は、持ち点が零を下回ることで飛びになるが、零下(「箱下」)三万点ごとに多重に飛びになる。飛びになった競技者は、飛びになった段階数分、飛び賞を重ねて払う。(「三万エブリでの段階飛び」)
- 例えば、(ア)零下千点で三着になった競技者の算定ポイントは、(i) まず丘の四万点を基準としての -41 、(ii) 次に着順による馬の -10 、(iii) (一段階)飛び賞の -10 を加算して -61 ポイントとなるが、(イ)零下三万千点で三着になった競技者の算定ポイントは、(i) 丘の四万点を基準としての -71 、(ii) 着順による馬の -10 、(iii) 二段階飛び賞の -20 を加算して、-101 ポイントとなる。
- 二人以上の競技者と点数を遣り取りする際には、その都度、必ず自分の右隣の競技者との遣り取りを完了したのちに、次にその次の競技者と点数を遣り取りする、ということを繰り返す。
- この項目は例えば、二人だけが聴牌しているときのノー聴罰符の支払い方を決定するときに参照される。
- 役による完全二翻縛りである。
- 即ち、聴牌形式の如何なる和了牌によっても役による二翻が確定している状況でなければ和了出来ない。これを破ると「誤栄」・「誤自模」になる。また、そのような状況に出来ないような立直は「ノー聴立直」として流局時の聴牌宣言(手牌開示)に於いて錯和になる。
- なお、立直をしていない状態での自模によって揃った手牌で、役による二翻が出来上がるならばそれで和了してよい。
- 立直をしていない競技者にとっての海底牌・河底牌・樌振り(後述)について。この場合、その自模された海底牌・打牌された河底牌・打牌された嶺上牌によって、他の役と合わせて役による二翻以上が完成するならば、和了してよい。これは、自模をされる牌が海底牌となる場合、また打たれる牌が河底牌或いは嶺上自模の直後の牌である場合は、自模をされる牌・打たれる牌の如何に拘わらずその牌は海底牌・河底牌・嶺上自模直後の牌であるからである。
- 積み棒が五本以上あるときは、代わりに、役による完全三翻縛りである。
- この場合には、以上の文面に於ける「二翻」を、「三翻」と読み替えよ。
- 吃は出来ない。
- 「吃」を発声した場合、誤吃となる。
- 七対子は二十五符の二翻役である。
- オープン立直は二翻役である。
- 立直を成立させていない競技者からの、オープン立直の栄和は、十五翻役である。
- オープン立直ではない立直を、オープン立直と区別するために特に「ノーマル立直」と呼んでよい。
- 北は抜きドラである。
- 北を抜く手順は次の通り:(i) 暗樌を行うタイミングで、手牌にある北を「副露牌を置く場所」に置く。この際に発声は必要ない。(ii) 嶺山牌を自模する。
- 四枚の北を全て一人で抜いた場合、代わりにドラ八と計算する。
- 北が抜かれたとき、他家は役満でのみその北で和了できる。
- これは栄和扱いである。
- 暗樌が行われたとき、他家は役満でのみその牌で和了出来る。
- これは栄和扱いである。
- 北を抜いたときの嶺上自模で自模りあがったときには嶺上開花(一翻役)が成立する。
- これは自模和扱いである。
- 嶺上自模の直後の打牌によって栄和されたときには樌振り(一翻役)が成立する。
- これは栄和扱いである。
- 一発は、抜きドラによる嶺上自模、及び暗樌による嶺上自模では消滅しない。
- 天和・地和・人和について。これらの役の成立は、抜きドラによる嶺上自模、及び暗樌による嶺上自模によっては阻害されない。
- 流し満貫は、代わりに流し役満とする。これは流し技である。
- 流し技は、役ではない。従って親の移動には無関係である。
- 流し役満は、(i) 自分の捨て牌が全て么九牌であり、(ii) 自分の捨て牌が鳴かれておらず、(iii) 北がその河に打牌されていない場合に成立する。
- 役満祝儀は、自模ならば全員から一万点分、栄ならば振り込んだ競技者から二万点分、とする(「役満祝儀は 20 ポイント固定」)。なお、ダブル・トリプル・……であれば、祝儀も同様に二倍・三倍・……とする。
- 役満とは、十五〜十九翻の和了のことを言う。所謂「役満」の役は、十五翻役として計数する。二十翻はダブル役満とし、以降、五翻毎にトリプル役満、クァドラプル役満……とする。(「役満は十五翻から五翻エブリ」)
- 真似満がある。これは流し技である。
- 即ち、自分よりも上流の競技者と全く同じ打牌を、開局時から五巡・七巡・九巡・十一巡・十三巡・……巡行った場合には、満貫・跳満・倍満・三倍満・役満・……分の点数を、その局の終了時に真似された競技者から受け取る。(「真似満は五巡から二巡エブリ」)
- 自分よりも上流の・複数の競技者に対して真似満を成立させた場合、その、複数の競技者全員から、点数を受け取る。
- 八連荘は十五翻役である。
- 八連荘は、当該の競技者が親であり、かつ積み棒が八本以上ある時に成立する。
- 小車輪は六翻役である。
- 大車輪は十五翻役である。
- 萬子を使用した混一色は十五翻役である。
- 紅孔雀は二十翻役である。
- 紅孔雀とは、一索・五索・七索・九索・中のみで成立させた和了形式のことである。
- 嶺上開花と海底摸月、樌振りと河底撈魚は複合しない。代わりにいずれか片方を選択して算入する。
役
認められる役は以下で全てである。但し、特記事項のあるものもある。
- 以下に於いて、「無」は、役ではなく、かつ翻数を持たないことを意味する。
【手牌の組み合わせに制限のないもの】
名前 | 門前時の翻数(副露時) |
門前清自模和 | 一(無) |
立直 | 一(無) |
ダブル立直 | 二(無) |
オープン立直 | 二(無) |
一発 | 一(無) |
嶺上開花 | 一(一) |
樌振り | 一(一) |
海底撈月 | 一(一) |
河底撈魚 | 一(一) |
槍槓 | 一(一) |
人和 | 八(無) |
八連荘 | 十五(十五) |
十三不塔 | 十五(十五) |
天和 | 十五(無) |
地和 | 十五(無) |
【手牌の組み合わせに制限のあるもの】
名前 | 門前時の翻数(副露時) |
役牌 | 一(一) |
平和 | 一(無) |
断么九 | 一(一) |
一盃口 | 一(無) |
一気通貫 | 二(一) |
七対子 | 二(二) |
対々和 | 無(二) |
混全帯么九 | 一(一) |
混老頭 | 二(二) |
三暗刻 | 二(無) |
三樌子 | 二(二) |
三連刻 | 二(二) |
小三元 | 無(二) |
混一色 | 三(二) |
純全帯么九 | 三(二) |
二盃口 | 三(無) |
清一色 | 六(五) |
小車輪 | 六(無) |
三色同刻 | 十五(十五) |
大車輪 | 十五(無) |
四連刻 | 十五(十五) |
國士無双 | 十五(無) |
四暗刻 | 十五(無) |
大三元 | 十五(十五) |
字一色 | 十五(十五) |
四喜和 | 十五(十五) |
緑一色 | 十五(十五) |
清老頭 | 十五(十五) |
四樌子 | 十五(十五) |
九蓮宝燈 | 十五(無) |
単騎待ち四暗刻 | 二十(二十) |
十三面待ち國士無双 | 二十(二十) |
九面待ち九蓮宝燈 | 二十(二十) |
紅孔雀 | 二十(二十) |
上のルールに関する裁定
ここでは、主に基本ルール「三人麻雀」に纏わる細かい裁定について述べる。これは、基本ルール「三人麻雀」ver 1.2 の一部である。
- 錯和が起こったときには、次の (i)、(ii)、(iii) をその順に行う。(i) 局の開始時に時間を戻し、(ii) その錯和をした競技者が満貫払いをし、(iii) その局をやり直す。
- 「局の開始時に時間を戻す」とは、各競技者が提出した立直棒をその各競技者に戻したりなどして、各競技者の持ち点数、及び供託に提出されている点数・積み棒をその局の開始時に戻すことを意味する。
- 従って、錯和によっては、局の終了は訪れない。
- 無論、もう一度その局を試技するに当たっても、積み棒を余計に増やすことはしない。
- 「満貫払い」とは、子であれば二人の他の競技者に四千点ずつを、親であれば六千点ずつを支払うことを意味する。
- (i) と (ii) の順番によって飛ぶか否かが決まる場合があるため、この順番は厳守しなければならない。
- 錯和によって誰かが飛び、半荘が終了した場合、その時点で供託に提出されている点数は、その時点で点数を最も多く所持している競技者が得る。
- 誤碰、誤吃は、千点を供託に提出する。
- 「誤吃」とは、吃が出来ないにも拘わらず「吃」と発声することである。なお、当該の三人麻雀ルーリングに於いては吃が出来ない。
- 流し技に関する警告を、口に出して他の競技者に対して明示的に行ってよい。
- 但し余りにもあからさまに警告することは「誠心」に反することがある。この誠心は試技を行っている競技者たちに依存する。また、この誠心に由来する裁定の内実は当該の競技者たちに全面的に委ねられる。
- 親は、配牌時に自分の手牌として十五枚目や十六枚目の牌を見たことが発覚した段階で、錯和になる。
- 「〜が発覚した段階」とは、そのことが競技者達によって肯定的に合意された瞬間を意味する。
- 麻雀に於いては競技者は審判者を兼ねるという特質を有するため、如何なる場合に於いても競技者達の肯定的な合意によって錯和か否かが判定されるが、補足のためにそのような言葉遣いをする。
- 「〜が発覚した段階」とは、そのことが競技者達によって肯定的に合意された瞬間を意味する。
- 北ではない牌で抜く行為をした場合、その嶺上自模の直後の打牌の前であれば、その北でない牌を北に換えて試技を進行させてよい。これが出来ない場合には、錯和になる。また、手牌に北があってもその嶺上自模の直後の打牌をしてしまったあとであれば、北でない牌で抜いたこと(抜いていること)が発覚した段階で錯和になる。
- 振聴してのオープン立直は錯和である。
- これは、特に、そのことが発覚した段階で錯和となる。
- 立直後、他家によって栄牌が打たれるに際して栄和しないことも(発覚すれば)錯和となる。それは、立直後に振聴することになるからである。
- 振聴してのノーマル立直は合法(適正)である。
- これは、特に、そのことが発覚した段階で錯和となる。
- 立直は取り消すことが出来ない。(「誤立直はない」)
- 立直後、その直後の競技者による打牌までは、ノーマル立直からオープン立直への変更に限り、これを行ってよい。
選択ルール「赤五萬」ver 1.2 について
- このルールは特別に「
全赤 の赤五萬」ルールと呼ばれてよい。
選択ルール「赤五萬」ver 1.2
- 四枚の北の内、一枚を赤五萬に換えて試技を開始する。
- 四枚の五筒・四枚の五索を、それぞれ四枚の赤五筒・四枚の赤五索に取り替えて試技をする。これらは常設のドラとして扱われる。(「全赤」)
- 設備のための困難から、実際に牌を取り替えるのではなく、単に四枚の赤五筒・四枚の赤五索と見立てるだけでもよい。
- 王牌は、ドラ表示牌を含めてそれ以降のみの牌とする。
- 赤五萬は、手牌にあるときは北として扱われる。
- 赤五萬は抜きドラとして使用することが出来、抜かれた赤五萬は、赤五萬であると同時に北である。
- 立直をしている競技者が赤五萬を自模したとき、その赤五萬を抜くか否かに関して考えるため、特別にその赤五萬牌を一度手牌近くに置いてよい。但しその場合は表を上に向け、どの競技者からも参照できるように置かなければならない。
- 赤五萬が打牌されたとき、それは、(i) 和了牌として五筒或いは五索を持って聴牌している競技者にとっては北・五筒・五索のいずれかであり(その内のいずれであるかはその聴牌している競技者が銘々に見做し、決定してよい)、(ii) 和了牌として五筒或いは五索を持って聴牌していない競技者にとっては北である。(iii) また、赤五萬を打牌した競技者にとっては、その赤五萬は五萬・五筒・五索ではなく、北である。
- 打牌された赤五萬を五筒・五索のいずれかと見做して栄和した競技者は、通常の翻数に二を増して点数を計算する。このことを、「打牌された赤五萬は北・赤々五筒・赤々五索である」と表現してもよい。
- 打牌された赤五萬は、真似満を行う競技者にとっては、赤五萬として扱われる。
- 従って、赤五萬を打牌した上流の競技者に対して真似満を成立させるには、自身も赤五萬をその巡目に打牌しなければならない(しかし、それは現在のところ不可能である)。
- 赤五萬を抜いた競技者が和了した場合、その競技者が他の競技者から受け取る最終的な得点を(それぞれ)倍にする。赤五萬を抜いた競技者が和了せずにその局が終了した場合、その局の終了時に起きる全ての遣り取りの最後に、その競技者は満貫払いをする(これは錯和としての満貫払いではない)。
- ドラ表示牌が赤五萬である場合、和了した競技者は、その赤五萬の分のドラが何であるかを任意に決定する。