三人麻雀ルーリング

  • 以下では、最近私が私の周囲の人と採用して実践している三人麻雀用のルールを明文化する。なお、一番最後の試技に採用されたルールを ver 1.0 として、ヴァージョンを振ってみる。なお、「ver」の直後にピリオドを打たないのは、ZUNの記法を踏襲しているからである。
  • 簡便のために、三人麻雀で採用されているルールを三つのレベルに分けて記述する。第一のレベルは「基本ルール」であり、これが我々の三人麻雀の姿を大まかに定めている。第二・第三のレベルは「選択ルール」であり、これらが我々の三人麻雀を特徴的なものにしている。
  • 第二・第三のレベルのルールはいずれも私とこいこい氏によって着想、ビルドアップされたものであり、実践によってブラッシュアップされた。第二・第三のレベルのルールは「選択」的であり、場合によっては採用せずともよい。しかし、第二のレベルのルールは最早私にとっては不可欠の要素となっており、最近はこれ無しの三人麻雀をしていない。第三のレベルのルールは現在ブラッシュアップの段階にあり、この前のy. K. 、まいたけを交えての三人麻雀にて実際にバランスの調整を行った(ver 1.0)。そのご、なおも見直す余地があると思われたため、こいこい氏と相談してさらなる改良案を練った(ver 1.1)*1。今回は参考のためにバランス調整が行われる前のヴァージョンも公開してみよう(ver 0.9)。私は第三のレベルのルールを採用しての試技はまだ一度しか行っていないため、必ずしもこれを他人に推奨するものではない。

メタルール

と言うのが適当なのかはあとで考える。

  • 以下にルールを記載するに際し、一般的と思われる麻雀用語を使用する場合がある。
  • 各ルール項目の下の階層の記述は、補足的・説明的ルールであり、ルールの一部である。
  • 基本ルールと選択ルールが矛盾した場合は、常に選択ルールを優先して当該の基本ルールを無視する。
  • 書き漏らしがあるかも知れないし、書くべき順番も不適切であるかも知れない。
  • ルールとして書かれたものが現在のルールの全てである。
  • ルールの不備が発見されたときは、競技者達の合意によってルールを改変・追加し、試技を進行させる。

基本ルール「三人麻雀」ver 1.0

  1. 萬子の二〜八を除いて試技を開始する。
  2. 親の自風は東であり、その右隣の子の自風は南、そしてその次の子の自風が西である。
  3. 東南戦である。
  4. 東場は、親は聴牌連荘であり、南場は、親はノー聴連荘である。
  5. あがりやめはない。
  6. 配給原点は三万点であり、清算基準点(丘)は四万点である。
  7. 馬は、三位から一位への一万点分とする。
  8. 点数は百点の位を切り上げる。
  9. 積み棒は一本につき千点である。栄和のときは一本につき千点を増し、自模和のときは、一本につき千点を増してそれぞれの競技者に対して点数を要求する。
  10. 自模のときの点数は、四人麻雀のときのように計算した点数に千点を増して計算する。
  11. 頭跳ねではなく、ダブロンである。
    1. ダブロンが起こった場合、栄和された競技者から左回りに・順に一人ずつ得点を計算して授受する。供託の点数は、栄和した競技者の一人目が受け取る。
  12. 持ち点が零を下回った場合、飛びになって半荘が終了する。
    1. 「持ち点が無くなる」のは、持ち点が計算上一度でもマイナスになった瞬間である。但し、飛んでもそのあとの計算は全て行うこととし、その結果が零以上であっても飛びとして半荘は終了する。
  13. 飛び賞は一万点分とする。
    1. 飛び賞は飛ばした競技者が受け取る。
    2. 自分以外の全ての競技者を一度に飛ばした場合、全員飛ばし祝儀として、さらに一万点分を受け取る。
  14. 二人以上の競技者と点数を遣り取りする際には、その都度、必ず自分の右隣の競技者との遣り取りを完了したのちに、次にその次の競技者と点数を遣り取りする、ということを繰り返す。
  15. 役による完全二翻縛りである。
    1. 即ち、聴牌形式の如何なる和了牌によっても役による二翻が確定している状況でなければ和了出来ない。これを破ると「誤栄」・「誤自模」になる。また、そのような状況に出来ないような立直は「ノー聴立直」として流局後の聴牌宣言(手牌開示)に於いて錯和になる。
    2. 但し、立直をしていない状態での自模によって揃った手牌で、役による二翻が出来上がるならばそれで和了してよい。
    3. 積み棒が五本以上あるときは、完全三翻縛りである。
  16. 吃は出来ない。
  17. 七対子は二十五符の二翻役である。
  18. オープン立直は二翻である。
    1. オープン立直ではない立直を、オープン立直と区別するために特に「ノーマル立直」と呼んでよい。
  19. 北は抜きドラである。
    1. 四枚の北を全て一人で抜いた場合、代わりにドラ八と計算する。
  20. 北が抜かれたとき、役満でのみその北で和了できる。
  21. 暗樌が行われたとき、役満でのみその牌で和了出来る。
  22. 北を抜いたときの嶺上自模で自模りあがったときには嶺上開花を認める。
  23. 嶺上自模の直後の打牌によって栄和されたときには「樌振り」として一翻役を認める。これは栄和扱いとする。
  24. 一発は、抜きドラによる嶺上自模、及び暗樌による嶺上自模では消滅しない。
  25. 流し満貫は、代わりに流し役満とする。これは流し技である。
  26. 流し技は、役ではない。従って親の移動には無関係である。
  27. 流し役満は、(i)自分の捨て牌が全て么九牌であり、(ii)自分の捨て牌が鳴かれておらず、(iii)北がその河に打牌されていない場合に成立する。
    1. 北は么九牌である。
    2. 従って、自分が副露していても流し役満は成立する。
    3. ダブリーをした競技者が流し役満の成立条件を満たし場合、それを代わりに流しダブル役満とする。
  28. 役満祝儀は、自模ならば全員から一万点分、栄ならば振り込んだ競技者から一万点分、とする。なお、ダブル・トリプル・……であれば、祝儀も同様に二万点分・三万点分・……とする。
    1. 役満祝儀は、「〜〜役満」と「役満」の語が付く全ての場合に発生する。
  29. 数え役満は十五翻とし、数えダブル役満は二十翻、以降、五翻毎に数えトリプル役満、数えクァドラプル役満…とする。
  30. 八連荘とは、積み棒が八本以上あるときに親が和了することを意味し、役満である。
  31. 真似満がある。これは流し技である。
    1. 即ち、自分よりも上流の競技者と全く同じ打牌を、開局時から五巡・七巡・九巡・十一巡・十三巡・……巡行った場合には、満貫・跳満・倍満・三倍満・数え役満・……分の点数を、その局の終了時に真似された競技者から受け取る。
    2. 自分よりも上流の・複数の競技者に対して真似満を成立させた場合、その、複数の競技者全員から、点数を受け取る。
  32. 小車輪がある。
    1. 即ち、混一色七対子の複合役のことであり、五翻の代わりに六翻を認める。

上のルールに関する裁定

ここでは、主に基本ルール「三人麻雀」に纏わる細かい裁定について述べる。これは、基本ルール「三人麻雀」ver 1.0 の一部である。

  1. 錯和が起こったときには、次の(i)、(ii)をその順に行う。(i)局の開始時に時間を戻し、(ii)その錯和をした競技者が満貫払いをする。
    1. 「局の開始時に時間を戻す」とは、各競技者が提出した立直棒をその各競技者に戻したりなどして、各競技者の持ち点数、及び供託に提出されている点数・積み棒をその局の開始時に戻すことを意味する。
      1. 無論、もう一度その局を試技するに当たっても、積み棒を余計に増やすことはしない。
    2. 「満貫払い」とは、子であれば二人の他の競技者に四千点ずつを、親であれば六千点ずつを支払うことを意味する。
    3. (i)と(ii)の順番によって飛ぶか否かが決まる場合があるため、この順番は厳守しなければならない。
  2. 錯和によって誰かが飛び、半荘が終了した場合、その時点で供託に提出されている点数は、その時点で点数を最も多く所持している競技者が得る。
  3. 誤碰、誤吃は、千点を供託に提出する。
    1. 「誤吃」とは、吃が出来ないにも拘わらず「吃」と発声することである。
  4. 流し技に関する警告を、口に出して他の競技者に対して明示的に行ってよい。
  5. 親は、配牌時に自分の手牌として十五枚目や十六枚目の牌を見たことが発覚した段階で、錯和になる。
    1. 「〜が発覚した段階」とは、そのことが競技者達によって肯定的に合意された瞬間を意味する。
      1. 麻雀に於いては競技者は審判者を兼ねるという特質を有するため、如何なる場合に於いても競技者達の肯定的な合意によって錯和か否かが判定されるが、補足のためにそのような言葉遣いをする。
  6. 北ではない牌で抜く行為をした場合、その嶺上自模の直後の打牌の前であれば、その北でない牌を北に換えて試技を進行させてよい。これが出来ない場合には、錯和になる。また、手牌に北があってもその嶺上自模の直後の打牌をしてしまったあとであれば、北でない牌で抜いたこと(抜いていること)が発覚した段階で錯和になる。
  7. 振聴してのオープン立直は錯和である。
    1. これは、特に、そのことが発覚した段階で錯和となる。
    2. 振聴してのノーマル立直は合法(適正)である。
  8. 立直は取り消すことが出来ない。
    1. このことを、「「誤立直」はルールによって定められる用語ではない」と表現してもよい。

選択ルール「赤五萬」ver 1.0

  1. 四枚の北の内、一枚を赤五萬に換えて試技を開始する。
  2. 赤五萬は、手牌にあるときは北として扱われる。
  3. 赤五萬は抜きドラとして使用することが出来、抜かれた赤五萬は、赤五萬であると同時に北である。
  4. 赤五萬が打牌されたとき、それは、(i)和了牌として五筒或いは五索を持って聴牌している競技者にとっては北・五筒・五索のいずれかであり(その内のいずれであるかはその聴牌している競技者が銘々に見做し、決定してよい)、(ii)和了牌として五筒或いは五索を持って聴牌していない競技者にとっては北である。
    1. 打牌された赤五萬を五筒・五索のいずれかと見做して栄和した競技者は、通常の翻数に二を増して点数を計算する。このことを、「打牌された赤五萬は北・赤々五筒・赤々五索である」と表現してもよい。
    2. 赤五萬を打牌した競技者は、そのことによっては五筒・五索に於いて振聴しておらず、代わりに北に於いて振聴している。
      1. 赤五萬を打牌した競技者は、流し役満を成立させることが出来ない。
        1. 従って、流しダブル役満を成立させることも出来ない。それは、流しダブル役満とは、流し役満の代わりに成立するものだからである。
  5. 打牌された赤五萬は、真似満を行う競技者にとっては、赤五萬として扱われる。
    1. 従って、赤五萬を打牌した上流の競技者に対して真似満を成立させるには、自身も赤五萬をその巡目に打牌しなければならない(しかし、それは現在のところ不可能である)。
  6. 赤五萬を抜いた競技者が和了した場合、その競技者が他の競技者から受け取る最終的な得点を(それぞれ)倍にする。赤五萬を抜いた競技者が和了せずにその局が終了した場合、その局の終了時に起きる全ての遣り取りの最後に、その競技者は満貫払いをする(これは錯和ではない)。
    1. 無論、赤五萬を抜いた競技者以外の競技者が和了して局が終了した場合も、赤五萬を抜いた競技者は満貫払いをする。
  7. ドラ表示牌が赤五萬である場合、和了した競技者は、その赤五萬の分のドラが何であるかを任意に決定する。

上のルールに関する裁定

ここでは、主に選択ルール「赤五萬」に纏わる細かい裁定について述べる。これは、選択ルール「赤五萬」ver 1.0 の一部である。

  1. (まだ特にない)

選択ルール「能力麻雀」(仮称)ver 1.0

  1. 四半荘を一つのブロックとして数えることにし、ブロックの開始時に、その直前の半荘のトップから左回りに、以下の五つの役職から一つを選び、決定する。即ち、「青龍」・「朱雀」・「白虎」・「玄武」・「黄龍」である。
  2. 競技者は、自分の役職によってそれぞれ、ルールに於いて次の補正を受ける。
    1. 青龍の競技者は、局の開始時に二千点を供託に提出する。
    2. 青龍の競技者は、副露して和了した場合には通常のドラ表示牌に加えて裏ドラを、門前で・且つ立直せずに和了した場合には同様に裏ドラ・樌ドラ・樌裏を、門前で・且つ立直して和了した場合には同様に樌ドラ・樌裏を参照して翻数を増す。
    3. 青龍の競技者は、和了した際・上のルールのために通常よりも多く参照したドラ表示牌によっては翻数を増すことが出来なかった場合、次の局の開始時に供託に提出する点数を、代わりに四千点にする。
    4. 朱雀の競技者は、吃をしてもよい。
    5. 朱雀の競技者は、役による不完全一翻縛りである。
      1. 積み棒が五本以上あるときは、役による不完全二翻縛りである。
    6. 朱雀の競技者が和了した場合に得る点数は、通常の半額である。
      1. 半額にしたのち、百以下の位を千の位に切り上げる。
    7. 白虎の競技者は、各局の開始時・配牌の前に、「白虎宣言」を行ってもよい。「白虎宣言」を行った場合、次のようにする。(i)和了した結果六翻以上である場合、その和了が跳満であれば倍満と見做し、倍満であれば三倍満と見做し、以下同様、とする。(ii)和了した結果五翻以下である場合、通常の得点を受け取り、満貫払いをする。(iii)和了しなかった場合、満貫払いをする。
    8. 玄武の競技者は、通常の配給原点よりも五千点低い点数で半荘を開始する。
    9. 玄武の競技者は、一局につき一度、任意の競技者一人を対象としてもよい。そうした場合、その玄武の競技者は、その競技者がそれでは自模和了できず・その玄武の競技者によって打牌されたそれではその競技者が栄和できないような、そのような牌を一種類宣言する。これを「看破」と呼ぶ。
    10. 看破は、自分が通常、碰・明樌をするタイミングにのみ行うことが出来る。但し、実際にその打牌された牌で碰・明樌を行うことが出来るか否かは問わない。なお、看破・碰・明樌は同時に二つ以上行うことは出来ない。
      1. 看破が行われたあと、看破を掛けられた競技者は、その指定の牌を打牌することではその牌で振聴せず、また、その看破を行った玄武の競技者が打牌したその指定の牌では振聴しない。
      2. 玄武の競技者は、いずれかの玄武の競技者が看破として指定した牌では・且つその看破の対象とされた競技者によっては、栄和されない。
    11. 黄龍の競技者は、通常の配給原点よりも二万点低い点数で半荘を開始する。
    12. 黄龍の競技者は親から始めて左回りに・順に一人ずつ、局の終了時に、全ての他の競技者から千点ずつ受け取る。
      1. 飛んだ競技者からもこの千点を受け取るが、飛んだ黄龍の競技者によってはこの千点の授受は発生しない。

上のルールに関する裁定

ここでは、主に選択ルール「能力麻雀」に纏わる細かい裁定について述べる。これは、選択ルール「能力麻雀」ver 1.0 の一部である。

  1. 通常の配給原点とは異なった点数で半荘を開始する競技者がいる場合、半荘の終了時に一位の競技者が丘によって受け取るべき点数も変化する。
  2. 青龍の競技者は、その、供託に提出する(提出している)点数分の点棒を、自分の手牌の右辺りに置く。
  3. 白虎宣言をした場合、その競技者は自分の手牌の右辺りに百点棒を目印として置く。
    1. 白虎の競技者の手牌の右辺りに百点棒が置かれている場合、その白虎の競技者は、白虎宣言をしていると見做される。

選択ルール「能力麻雀」(仮称)ver 0.9

や、ver 1.1 は、疲れてきたのでまた今度。ということで。

*1:このver 1.1 はこの執筆段階において試技に採用されたことがいない。