興奮性の発汗。興奮性の発汗。興奮性の発汗。
 風呂に入ろうとしたら、ここ一週間ほど対峙し続けていた甲虫が無防備にも、いや、生意気にもこのおれを挑発するかの如き振舞いを見せたので、思わず猛る。思わず地が出る。本質的にはそんじょのヤンキーよりも遥かに残虐的なので、言葉遣いは自然と汚くなる。
 死闘の末、奴は死んだ。いや、死闘ではなかった。虐殺だった。私による。ただ、奴は多少足掻いてくれた。ブッ殺した。おれがブッ殺した。おれがブッ殺した。受け身を取らせぬ為にゼロモーションからの打撃を繰り出す。しかし傘では突かないという冷静さをも持ち合わせている。流石だ。

 いやあ、猛ってしまったな。