生活は主に食生活を意味する

  • 久し振りに海老天蕎麦が食いたいと感じている。海老天蕎麦が食いたい。でかいどんぶりに蕎麦を入れて、それに海老天を突っ込んだものが食いたい。どうすれば食えるだろうか。とおれは次に考える。そうだな……、そういえば海老天蕎麦は東京の富士そばにもなかったな。海老天がなかった。フム。ではそういうチェーンではない店に行ってみるか。まともな蕎麦屋は馬鹿高いと思っていたが、こういう風な感情を抱いたときに入るのが、本当の蕎麦屋のあり方なのかも知れない。フム。まあそれも一つあろう。だが、一応、海老天蕎麦ぐらいならば作って作れないこともない。それは可能だ。だがしかし、おれに海老天がうまく作れるだろうか……? ちゃんとした海老天を作るために、まずは掻き揚げ天ぷらの練習を始めるのが適当と思わないか。では、おれがちゃんとした海老天を作り、満足のいく海老天蕎麦を食えるようになるまでにどれぐらいの時間が掛かると言うのか。では、実家に帰るというのはどうか。海老天蕎麦が食いたくて、帰って参りました。まあそれはなかなかの実家孝行ということにもなるか。けどなあ、実家に帰るにはタイミングを計らねばならんでな、そう簡単に出来ることでもない。サテ、では、蕎麦屋に入ってみるのが最も実践的か。あ、いや、まずは学食の蕎麦コーナーを訪ねてみるのが得策だ。フム、行ってみよう。そんなに良い海老天蕎麦でもないかも知れぬが、ならばその代わりに二杯食ってくれよう。