歌と物語が不味いのは、誤っているからだ。それはもう、間違っているのだから。歌の中に幾つの宗教が歌われようと、幾つの神が歌われようと、物語の中に幾つの世界が描かれようと、幾つの生きと死にとが問われようとも、間違っているのだから。人が歌を歌う…

金柑の鈴の鐘ががらがらと鳴り響く。果樹園の雷神が肩を揮わせて種を播く時、とにかくおれも非道いテキストを書きたい。

漫画などについて:pixiv と海藍

またしても私たちは集まることが出来なかった。私の印象はそれだった。悲しい、と言えば悲しいが、そういう事態というのは、私たちにつきものだったのかも知れないから、これからもついて回るのかも知れない。 またしても私たちは集まることが出来なかった。…

水辺のコンクレイヴ

水辺のコンクレイヴに集まった妖精達には不安の種があった。彼らは、四半星紀に一度の祭典がまだら葉の樹人族に脅かされることを嫌がっていた。氷漬けにされた剣が引き抜かれたのは四つの冬と二つの夏前のことであった。いちょうの帽子のローゼンソールと葦…

この血の色をした哀しみが千と降る雨の中で、 私たちは本当と呼べる蔭に隠れ、 影に押し潰され、 企てられた聖戦が無駄に終わるのを見届ける。 幽鬼たちに思想はなく、また害を為す意志もない。 私たちは弱き死すべきものであり、 自然の気紛れによって死期…

劇と劇的死

さようなら、さようならなんだよ! 俺は薄墨色とバラ色に染まった浜辺で空を見ていた。 今日、僕があの部屋に帰るためには君とさようならをしなくてはならない(さようなら! さようならなんだよ!)。 今晩の東京は曇りのち雨だと手元の携帯が教えてくれた…

金冠は、私の頭上にこそ輝き溢れて在りなさい。 春華は、私の足下にこそ咲き乱れて在りなさい。 千の河を集める王も、 百の山を纏める主も、 私の歩む黄金の足跡を、 その臣下を連れて一緒について来なさい。 鳥たちよ、私のためにこそ歌いなさい。 獅子たち…